中途採用面接で最適な人材を見極める質問例

中途採用面接にて面接官を担当する方のなかには、「どのような質問で自社にとって最適な人材かどうかを見極めたらよいのか」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。採用面接にかけられる時間は決まっているため、ひとつでも多くの情報を得るには質問内容を工夫することが大切です。
そこで今回は、採用面接の流れをはじめ、自社に適した人材かを見極めるための質問例とポイント、避けるべき内容や注意点についてまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
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採用面接の流れ
まずは、採用面接の一般的な流れについて解説します。
採用面接では、はじめに面接官の自己紹介から行います。面接官は履歴書にあらかじめ目を通しているため、応募者のことをある程度把握していますが、応募者は面接官についての情報を何も知りません。そのままの状態で採用面接を進めてしまうと、応募者の緊張を和らげられないどころか、不安感を持たれてしまう可能性も。お互いに気持ちよく採用面接を進められるよう、まずは面接官である自身の自己紹介を行いましょう。
次に、会社の説明や求人に至った経緯などを話しつつ、アイスブレイクを挟みます。アイスブレイクは、応募者の緊張を和らげるための大切なステップになるため、なるべく省かないようにしましょう。「今日の天気」や「室内の空調(暑い・寒い)」など、応募者が気兼ねなく話せる内容を選ぶのがポイントです。
応募者の緊張が和らいできたら、いよいよ採用面接に取りかかります。限られた時間内でいかに応募者の本質を見抜けるかがカギになってくるので、質問内容は事前にまとめておくようにしましょう。
最適な人材を見極めるための具体的な質問とポイント

では、中途採用面接で自社に適した人材かを見極めるには、具体的にどのような質問をすればよいのでしょうか。以下にて、6つのカテゴリ別にご紹介します。
コミュニケーション能力に関する質問
コミュニケーション能力は、仕事を円滑に進めていくうえで欠かせないものです。そのため、採用面接では質問を通して「基本的なコミュニケーション能力があるか」をチェックしましょう。
【質問例】
・「ひとりで仕事に取り組む」のと「チームで仕事に取り組む」のでは、どちらが好きですか?
・顧客や取引先とのコミュニケーションにおいて、心がけていた点はありますか?
・同じ会社の社員(同僚・先輩・後輩・上司)と円滑にコミュニケーションを取るために必要なことは何だと思いますか?
コミュニケーション能力に関する質問をする際のポイントは、「コミュニケーションに対する価値観が具体的に分かる内容にすること」です。たとえば2つ目の質問例は、「応募者がどのようなコミュニケーションスタイルを重視するか」を確認できる内容になっています。また、その考え方が自社にマッチしているかも判断できるので、採用基準として役立てることも可能です。
経験やスキルに関する質問
中途採用の場合は「即戦力」になる人材を確保する必要があるため、面接ではこれまでの経験やスキルに関する質問を欠かさず取り入れることが大切です。
【質問例】
・これまでに、どのような業務を行ってきましたか?
・これまで、ご自身の仕事を円滑に進めるために、どのような工夫を取り入れましたか?
・これまでの仕事でもっとも誇れる実績や成功体験があれば、ぜひ教えてください。
経験やスキルに関する質問は、プラスアルファの回答が得られるような内容にするのがベストです。一問一答で終わるような質問の仕方だと、履歴書にある内容をそのまま口頭で聞いただけになってしまいかねません。「工夫」「成功体験」などの言葉を取り入れて、履歴書には書いていない部分を引き出すようにしましょう。
働き方に関する質問
中途採用面接では、質問を通して働き方に関する考えや姿勢を確認することも大切です。
【質問例】
・あなたは5年後、10年後どのようになっていたいですか?
・将来の目標は何ですか?
・弊社に入社したら、どのような役割を担いたいですか?
働き方に関する質問では、中長期的なキャリア観を知ることができます。たとえば、1つ目の質問に対する回答が「管理職になっていたい」だった場合は、マネージャーを含めたキャリアアップに対する強い意欲がうかがえます。中長期的なビジョンがわかればその人の性格的な部分も見えてくるので、働き方に関する考えや姿勢を確認することは、入社後のチーム編成の際にも役立ちます。
価値観や考え方に関する質問
仕事に対する価値観や考え方について質問することは、応募者が「自社の社風に合った人材かどうか」を確かめるうえで非常に大切です。
【質問例】
・あなたにとって「仕事」とは何ですか?
・これまでに、ご自身の成長を実感した出来事はありましたか?
・仕事をするうえで、あなたは何をやりがいにしていますか?
・働くうえで、あなたのモチベーションを高めるものはありますか? それは何ですか?
仕事に対する価値観や考え方についての質問をする際は、その答えを通して「自社の社風に合っているか」「既存の社員と相性が合うか」「仕事に対する意欲はどうか」などをはかれる内容にするのがポイントです。前述した「経験やスキルに関する質問」と同じく、プラスアルファの回答が得られるよう尋ねるとよいかもしれません。
退職理由に関する質問
企業で長く働いてもらうためにも、採用面接では前職の退職理由を尋ねるのがおすすめです。
【質問例】
・退職を検討するようになったきっかけは何ですか?
・退職を決意したきっかけや出来事があれば、ぜひ教えてください。
・「現職に残ってもよい」と思い返せるような条件などあれば、教えていただけますか?
退職理由に関しては、聞かれることを見越して応募者が「よい回答」を準備している可能性があります。そのため、退職理由に関する質問をするときは「深掘りしていくこと」がポイントです。応募者の答えから次の質問を作り出すことで、退職理由についてより深く知ることができます。
志望動機に関する質問
志望動機に関する質問では、応募者の「会社への理解度」をはかることができます。また、「採用後に応募者の希望に沿えるか」を確認・調整しやすくなるというメリットもあります。
【質問例】
・なぜ弊社で働きたいと思ったのか、その理由について教えてください。
・弊社について、あなたが知っていることを教えてください。
・弊社の数ある業務のなかでも、この業務を志望した理由は何でしょうか?
・弊社で働くことで、何か実現したことはありますか?
志望動機では、応募者が「どのような会社を求めているか」を判断する必要があります。なぜなら、応募者が入社した際に「イメージと違う」と感じた場合、早期退職にもつながりかねず双方によい結果をもたらさないためです。マッチング不足のまま入社することを防ぐためにも、志望動機で会社への理解度や理想を確認しておくことが大切です。
採用面接では避けるべき内容と注意事項

採用面接では「何を聞いてもよい」というわけではありません。厚生労働省が公表する「公正な採用選考の基本」では、「応募者の基本的人権を尊重すること」「応募者の適性・能力のみを基準として行うこと」の2つが定められています。そのため、「本人に責任のない内容」「自由に選択でき、かつ適正・能力に関わりのない内容」に関する質問は避ける必要があります。
本人に責任のない内容 | 自由に選択でき、かつ適正・能力に関わりのない内容 |
・出生に関すること ・家族の情報 ・育ってきた家庭環境 | ・宗教に関すること ・支持する政党 ・よく読む本や雑誌など |
上述した内容は、緊張をほぐすためのアイスブレイクで聞いてしまいがちです。選考結果に影響しないとはいえ、応募者が「回答次第で採用の可否が決まるのではないか」と不安になる可能性はゼロではないため、十分に注意しましょう。
このほか、採用面接では「一方的に質問を投げかける」のも避けなければなりません。採用面接でも応募者とのコミュニケーションは必須です。一方的に質問を投げかけるだけになってしまうとコミュニケーションが取れず、企業のイメージが悪くなる恐れがあります。
また、「入社後のイメージを伝えない」のもNGです。応募者に不安感を与えないためにも、入社後のイメージは忘れずに伝えるようにしましょう。
面接には「企業が応募者を評価する」という側面もあれば、同時に「応募者が企業を選ぶ」という側面もあります。応募者が十分に納得し志望度を高められるよう、自社の情報開示や魅力付け、応募者の疑問解消も積極的に行いましょう。
まとめ
採用面接では、応募者が自社に最適な人材かどうかを見極めるため、情報を少しでも多く引き出さなければなりません。そのためには、質問内容・方法に工夫を施すことが大切です。今回ご紹介した質問例とポイントを参考に、無駄のない有意義な採用面接を実現させましょう。
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