研修合宿で新入社員のスキルアップを図る!おすすめの内容とポイント・注意点

一言で「研修」といっても、そのパターンは複数あります。たとえば、研修合宿がそのひとつで、効率的かつ集中的に社員を育成できるほか、一緒に過ごす時間が長いからこそ社員一人ひとりの特性を把握しやすいのが特徴です。
そこで今回は、研修合宿の概要をはじめ、新入社員向けに研修合宿を実施するメリットや新入社員向けの研修合宿に取り入れたい内容、成功させるポイントなどについてご紹介します。新卒採用担当の方は、ぜひ参考にしてみてください。
研修合宿とは?社員旅行との違いを知ろう
研修合宿とはその名のとおり、ホテルや旅館、研修施設などに宿泊して合宿形式で行う研修のことです。社員を対象に実施するのが一般的で、とくに新入社員を対象に行うケースが多くなっています。
「研修合宿は社員旅行と同じ」とイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、これら2つは目的が異なります。研修合宿の目的は、特定のテーマについて学習する場を設けることで社員のスキルアップを図ることです。一方で社員旅行の目的は、社員に心身を休めてもらう・社員同士の親睦を深めることであり、スキルアップはあまり重視されていません。
このように、研修合宿と社員旅行は似て非なるものなので、混同しないよう注意しましょう。
新入社員向けの研修合宿で期待できる効果とは?実施するメリット
新入社員を対象に行うことが多い研修合宿ですが、実際に新入社員向けに実施する場合はどのようなメリットを得ることができるのでしょうか。
1.効率的かつ集中的に研修を行える
新入社員向けの研修合宿では、参加者だけでなく講師も同じ施設に宿泊します。そのため、講師が到着するまで待つ必要がないほか、2日目は朝早い時間から研修をスタートすることが可能です。また、研修後にはその日の反省と明日の準備を行うことが多く、研修への集中力が途切れづらいのも特徴です。
こうした点から、新入社員向けの研修合宿には「効率的かつ集中的に研修を行える」というメリットがあるといえます。
2.チームワークが高まる
新入社員向けの研修合宿では、数日間にわたって参加者同士で寝食を共にすることになります。まだあまり交流がないほかの新入社員とコミュニケーションを取れる上に、一緒に研修を乗り越えることができるため、つながりがより深くなりチームワークが高まる効果が期待できます。
現に、チームワークの向上を目的として、グループで同じ部屋に宿泊するケースも珍しくありません。
3.競争力が高まる
新入社員向けの研修合宿にチームで協力して取り組む課題などを取り入れた場合、チームの競争力が高まりやすくなります。また、個人の思考力も高まり、「ほかのチームより優れた成果を出すにはどうすべきか」を各々が考えるようになるため、個人の競争力向上も期待できるでしょう。
4.社員一人ひとりの特性を把握できる
新入社員向けの研修合宿では、普段なかなか見られない新入社員の素顔や生活感が垣間見えることがあります。そのため、参加者の行動を観察することで一人ひとりの性格や能力、得意・不得意なこと、交友関係などを把握できます。
これにより、育成プログラムを組みやすくなるほか、マネジメントもしやすくなるでしょう。
新入社員向けの研修合宿に取り入れたい内容

では、新入社員向けの研修合宿はどのような内容で実施すればよいのでしょうか。以下で、取り入れたい内容を4つご紹介します。
企業の仕組みやルール
新入社員向けの研修合宿では、企業の仕組みやルールを共有するのがおすすめです。企業説明会や入社説明会など共有する機会はゼロではありませんが、企業の仕組みやルールは複数あり、それを一度で理解するのはそう容易ではありません。そのため、必ず理解してほしい仕組みや覚えてほしいルールがあるのなら、新入社員向けの研修合宿で共有するようにしましょう。
時間厳守・規律
このほか、時間厳守の重要性や規律を体感的に学べるような内容にするのもおすすめです。具体的には、朝食や昼食、夕食、入浴、就寝などの時間を細かく設定するのが一案です。
そうすることで、時間厳守の必要性や規律を新入社員に実感・習得してもらいやすくなります。そしていざ現場に出たときに、この経験を通して学んだ行動様式を体現できるようになるでしょう。
ビジネスマナー
挨拶をはじめとするビジネスマナーも、研修合宿に取り入れたい内容のひとつです。
たとえば、会社の会議室などで研修を行う場合、声を出して挨拶の練習をしたくても「同じフロアで仕事をしている人の迷惑にならないか」という不安からなかなかできないこともあるでしょう。その点、新入社員向けの研修合宿なら時間帯やほかの利用者の状況にもよりますが、周りを気にせず声を出すことができるため、挨拶の練習がしやすいといえます。
また、反対に「声出しを行っている会議室の隣で重要な会議を行えない」といった事態も防げます。
ディスカッション
新入社員の思考力を向上させたい場合は、ディスカッションを行うのがおすすめです。1日のすべてを研修にあてられるからこそ、納得いくまで議論し合うことができます。
また、商品開発や業務改善をテーマにすれば、議論の中で出た案を実際に試すことも可能です。研修とはいえ、よい案が出れば自社の成長に大きくつながるため、この点でもディスカッションは有効といえるでしょう。
新入社員向けの研修合宿を成功させるには
新入社員向けの研修合宿を成功させるためには、企業が以下のポイントを意識する必要があります。
明確な目標を掲げる
新入社員向けに研修合宿を行う際は、まず目標を明確に掲げることが大切です。「新入社員のスキルアップを図る」といった抽象的な内容ではなく、「一社会人として正しく業務に取り組めて、取引先や顧客と良好な関係を築ける人材を目指す」など具体的な内容を目標として設定するのがポイントです。そうすることで、新入社員が高いモチベーションのもと研修合宿に取り組めるようになります。
苦手意識を払拭できるようなプログラムを取り入れる
研修合宿に参加する新入社員の多くは、慣れない環境に戸惑い不安を感じるものです。中には、コミュニケーションに苦手意識があることが不安につながっている新入社員もいるでしょう。
こうした背景を踏まえて、企業はグループワークやゲームなど、コミュニケーションが自然と発生するプログラムを研修合宿に取り入れることが大切です。そうすることによって、参加者同士で自然とコミュニケーションを取るようになり、苦手意識が払拭され、研修により集中できるようになります。
集中力が継続する環境を作る
新入社員向けの研修合宿では参加者を長時間拘束するケースもあることから、参加者の集中力が続かないことも珍しくありません。そのため、企業は新入社員向けの研修合宿を実施するにあたって、参加者の集中力が継続する環境を整えることが大切です。
たとえば、「研修の合間にミニゲームを行う」「リフレッシュとしてレクリエーションの時間を設ける」などがおすすめです。心身ともにリラックスできる時間を設けることで、参加者の集中力が途切れるのを防ぎやすくなります。
計画を立てる前に確認!新入社員向けに研修合宿を実施する際のポイント

新入社員向けに研修合宿を実施する際のポイントは以下のとおりです。
内容に応じて期間・場所を決める
研修合宿の期間に決まりはありませんが、一般的には2泊3日で行われることが多くなっています。これ以上短いと内容に限りが出て集中的な研修ができなくなる可能性があり、長すぎると参加者に大きな負担がかかる可能性があるからです。そのため、2泊3日を基準とし、内容に応じて調整するようにしましょう。
研修合宿の場所も、内容に応じて決めるのがおすすめです。たとえば、声を出して挨拶の練習をしたい場合は、発声しても問題なさそうな施設を選ぶ必要があります。
また、研修をスムーズに行うためには備品も欠かせないため、ホワイドボードやプロジェクター、スクリーン、マイク・スピーカーなどの音響機器がそろっているかどうかも確認しましょう。
参加者・不参加者への周知は早めに行う
研修合宿の参加者へ持ち物やタイムテーブルなどを周知する際は、3〜4日前までに済ませることが大切です。なぜなら、参加者が持ち物を準備する時間を確保する必要があるほか、忘れ物がないか確認する時間も提供しなければならないからです。
また、参加者への周知とあわせて、不参加者へ「この期間は新入社員(そのほかの一部の社員)はいない」という周知も行いましょう。役職が高い社員が引率する場合は、その社員の連絡先を伝えておけば、万が一トラブルが発生してもスムーズに連絡が取れるでしょう。
意外と見落としがち!新入社員向けに研修合宿を実施する際の注意点
ここでは、新入社員向けに研修合宿を実施する際の注意点をご紹介します。
ほかの利用客がいることを説明する
新入社員向けの研修合宿では、ホテルや旅館、研修施設などに宿泊するのが一般的です。これらの施設には、もちろん自社だけでなくほかの利用客もいるため、ハメを外しすぎた行動をしないよう参加者に説明しておく必要があります。
「一つひとつの行動が見られていること」「その行動が企業の評判に影響を及ぼす可能性があること」などを伝えて、責任感のある行動を促しましょう。
参加者の体調に目を向ける
新入社員向けの研修合宿は、いわば「普段とは異なる場所に寝泊まりする」ということです。そのため、企業は常に参加者の体調に目を向け、健康状態に問題はないか確認する必要があります。また「いつもと様子が違う」などの違和感を見逃さず、迅速にサポートできる体制を構築することも重要です。
このほか、万が一体調不良者が出たときに備えて、緊急時の対応を明確にしておく必要があります。サポート体制が整っていない場合、離脱者が出てしまう上に早期退職につながることもあるため、十分注意しましょう。
参考にするのも一案!新入社員向けの研修合宿の事例
最後に、新入社員向けの研修合宿の事例として、企業間取引におけるインフラの創造・提供を行う株式会社ラクーンの「社長と行く!ダーツの旅」をご紹介します。
株式会社ラクーンは、新入社員向けの研修の一環として「社長と行く!ダーツの旅」を実施しました。これはその名のとおり、「社長とともに旅をする」というシンプルな取り組みです。
「誰にでも臆さず意見を伝えられるようになること」「自社の社風や価値観を理解してもらうこと」「社会人としての振る舞いやコミュニケーションの取り方を学んでもらうこと」の3つの目的のもと、1泊2日の日程で行われました。
社長と直接コミュニケーションを取れる機会はなかなかありません。そのため、新入社員向けの研修合宿を通して交流できることは、新入社員にとって貴重な体験になるでしょう。また、企業への理解が深まることで、働くことへの意欲が向上する効果も期待できます。
参照:ラクーン、新入社員研修の一環で『社長と行く!ダーツの旅』を2018年度も実施~行き先は入社式当日のダーツ次第!社長と新入社員が仲を深める~|PR TIMES
まとめ
研修合宿は、社員の育成を集中的に行いたい場合に最適な手段です。新入社員向けに実施すれば、新入社員同士のチームワークが向上するほか、個々の競争力も高まりやすくなります。
ただし、社内で研修を行う場合に比べて研修合宿には配慮すべき点も多いため、今回ご紹介したポイントや注意点は必ず押さえておきましょう。
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