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採用活動でカルチャーフィットを重視!そのメリット・デメリットと見極め方

「長く定着する人材を採用したい」という場合は、採用活動の際にカルチャーフィットを重視することが大切です。

そこで今回は、カルチャーフィットの概要や重視されている理由、企業がカルチャーフィットを重視するメリット・デメリットについて解説します。あわせて、採用活動で応募者がカルチャーフィット​する​か否かを見極める方法もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

カルチャーフィットとは?スキルフィットとの違いも解説

カルチャーフィットとは、「Culture(文化)」と「Fit(適合)」を用いた造語であり、人材がその企業ならではの文化に馴染めていることを意味します。

人材がカルチャーフィット​する​かどうかで入社後の活躍度合いや定着度は大きく変わり、たとえばカルチャーフィットできている人材の場合は長く定着する可能性が高いといえます。一方で、カルチャーフィットできていない人材はうまく活躍できず、早期離職につながることも珍しくありません。

カルチャーフィットの対義語に「スキルフィット」があります。これは、人材の能力や経験が採用企業が求めている基準に達していることを指す言葉です。

採用活動では応募者のカルチャーフィットとスキルフィットのバランスを確認し、両方が一定の高さである人材を採用するとよいでしょう。

現状の課題が大きく関係?カルチャーフィットが重視されている理由

昨今​、​カルチャーフィットが重視されている理由には、主に以下の2つが挙げられます。

早期離職を防ぐため

これまでの採用活動では、応募者の見極めを行う際に「前職ではどのような成果を上げたのか」「どのような知識・スキルを備えているのか」といった能力を重視する傾向にありました(=スキルフィット)。しかし、いくら優れた能力があっても企業の文化になかなか馴染めない場合は、成果を出さないまま退職してしまうこともあります。

そのため​近年で​は、社員を少しでも長く定着させるため、能力だけでなく企業文化との相性にも目を向けるカルチャーフィットが重視されるようになったのです。

働き方の変化により企業のカルチャーに触れる機会が減ったため

新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、2020年ごろからリモートワークが普及し始めました。リモートワークには「通勤費やオフィスにかかる費用を削減できる」などのメリットがある一方で、出社する場合と比べて「同じ企業の人とコミュニケーションをとる機会が少ない」というデメリットもあります。つまり、社員が企業の​カルチャー​​(文化)に触れる機会があまりないのです。

​​この特徴からリモートワークの場合、「社員がコミュニケーションをとる中で後からカルチャーフィットすること」が難しくなりました。そのため​、​企業は初めからカルチャーフィットする人材を選ぶ必要があり、それに伴って​採用時にカルチャーフィット​​を重要視するようになったと考えられます。

押さえておこう!カルチャーフィットを重視するメリット

では、採用活動でカルチャーフィットを重視することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

1.離職率が下がる

採用活動でカルチャーフィットを重視した場合、基本的には「自社の文化と価値観が合う応募者」を採用することになるため、採用のミスマッチを未然に防ぐことが可能です。新たに採用した社員が入社後に「想像と違う」と思うことが減るため、離職率が下がる効果が期待できます。

離職率が下がれば退職に伴う業務の引き継ぎが減り、周りの社員がストレスを感じることも減るため、企業全体によい影響が及ぶでしょう。

2.生産性が高まる

カルチャーフィットできている人材は、いわば企業の文化や経営方針に共感している人材です。そのため、「自分の役割は何か」「自社には何が必要か」を理解し、自主的に動く傾向があります。また、同じ文化に共感する人材が集まると、組織としての一体感も生まれやすくなります。

これらの点から、カルチャーフィットを取り入れた採用活動は社内によい影響をもたらし、生産性の向上につながるといえます。

3.コミュニケーションが円滑化する

カルチャーフィットできていない人材は、社員との価値観の違いから入社後に仕事へのモチベーションが下がってしまうことがあります。その一方で、カルチャーフィットできている人材は社員と価値観が近いため、モチベーション高く業務に取り組める上に良好な人間関係を築きやすくなります。

そのため、採用活動でカルチャーフィットを重視すれば、社内のコミュニケーションが円滑になる効果が期待できます。お互いの考えをスムーズに理解できるようになるため、業務の効率化にもつながるでしょう。

頼り過ぎは危険?カルチャーフィットを重視するデメリット

採用活動でカルチャーフィットを重視することにメリットがある一方で、デメリットもあります。

1.優れた能力を持つ人材の確保が難しくなる

カルチャーフィットを重視するということは、いわば「自社の文化に馴染めない人材を不採用にする」ということです。しかし、もちろんカルチャーフィットできていなくても優れた能力を持つ人材もいます。そのため、カルチャーフィットを重視し過ぎると、スキルフィットしている人材を確保できなくなってしまいます。

このデメリットを回避するには、カルチャーフィットとスキルフィットのバランスを考慮し、両方が一定の高さである人材を採用することが大切です。

2.多様性がなくなる

採用活動でカルチャーフィットばかりを重視すると、社員全員が同じ価値観・意見を持つようになり多様性がなくなります。この場合、新しいアイデアが出にくくなるほか、意見が飛び交うような議論ができなくなり、企業の文化が停滞して成長が止まってしまう可能性があります。

このデメリットを回避するには、カルチャーフィットを採用活動のひとつの指標にとどめ、今の自社にない文化や価値観を持った人材を採用する姿勢を持つことが大切です。

参考にしてみて!カルチャーフィットするか否かを見極める方法

では、採用活動で応募者がカルチャーフィットするかどうかを見極めるにはどうすればよいのでしょうか。

面接時に自社の文化に沿った質問をする

まず、面接時に自社の文化に沿った質問をするのが効果的です。答えの内容からカルチャーフィットする人材かどうかを判断することができます。

とはいえ、自社が「仕事への責任感を大切にする文化」だからといって「あなたは責任感がありますか?」などと直接的な質問をするのはあまり望ましくありません。誘導尋問となってしまう可能性があります。

そのため、これまでの経験をヒアリングする中で応募者の価値観・行動特性を引き出す方法がおすすめです。たとえば「プロジェクトのリーダーを務めた経験はありますか?」「(経験がある場合)どのような課題に直面し、どう乗り越えましたか?」などと質問するとよいでしょう。

このほか、STAR面接を実施するのもおすすめです。応募者に対し「過去にとった具体的な行動」について質問することで、限られた時間の中で応募者の本質に迫ることができます。

なお、STAR面接については以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。

​​​STAR面接で採用のミスマッチを防ぐ!具体的な手法やメリット・デメリットを解説

適性検査を行う

応募者がカルチャーフィットしているかどうかは、適性検査を実施することでも確認できます。「自社が大切にしたい価値観」が検査のどの項目に現れるのかを事前に把握しておくことで、検査結果から自社との相性を判断できます。また適性検査を社員にも実施すれば、応募者と社員が合うかどうかを確認することも可能です。

1DAYインターンを実施する

1dayインターンシップとは、新卒者を対象とした「1日限定のインターシップ(就業体験)」のことです。参加した応募者は、実際に働きながら企業の文化を肌で感じることができるため、自分に合っているかどうかをより鮮明に確認できます。一方で、企業はその様子を見て自社の文化にマッチしているかどうかを判断しやすくなるでしょう。

まとめ

採用活動でカルチャーフィットを重視することは、早期離職を防ぐ上で重要です。しかし、過度に重視すると優れた能力を持つ人材を逃したり、多様性がなくなる可能性があります。

そのため、社員の定着率を高めつつ企業の成長も促進したい場合は、カルチャーフィットだけでなくスキルフィットもバランスよく重視することが大切です。そうすることで、さまざまな特性を持つ社員とともに長く企業を発展させていけるでしょう。

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この記事の著者

sonarTimes 編集部
1000社以上にご導入された採用管理システム「sonar ATS」を展開。その知見をもとに、企業の採用・人事・経営にかかわるすべての人に最新の情報をお届けします。