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STAR面接で採用のミスマッチを防ぐ!具体的な手法やメリット・デメリットを解説

採用のミスマッチにお悩みの採用担当者の方は、ぜひSTAR面接に目を向けてみてください。応募者がこれまでにとった行動をもとに、自社が求める人材かどうかを判断することができます。

今回は、STAR面接の概要とともに、実施するメリット・デメリット、実施する際のポイントについて解説します。あわせて、STAR面接を実施している2つの企業もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

採用のミスマッチを防げる!STAR面接とは

STAR面接とは、応募者に対し「これまでにとった具体的な行動」について質問する面接手法のことです。行動面接の一種であり、限られた時間の中で応募者の本質に迫ることができます。

STAR面接の「STAR」は、「Situation(状況)」「Task(課題)」「Action(行動)」「Results(結果)」の頭文字となっており、各要素について順に質問することで応募者の行動特性や価値観を探ります。実際に起こした行動に関する質問をしていくため、嘘偽りがあれば見抜きやすい上に、自社が求める人材かどうかも確認しやすいため、採用のミスマッチを防ぎやすいのが特徴です。

Situation:状況

はじめに、応募者が置かれていた状況や環境について質問をします。これにより、「応募者が職場でどのような立場だったのか」「どういった背景で行動を起こしたか」を把握することが可能です。

具体的な質問例には、「あなたが担っていた役割を教えてください」「あなたは当時どのような課題を抱えていましたか」などがあります。

掘り下げた質問をする前に状況を把握・理解しておくことで、その後に続く質問をスムーズに投げかけられるほか、応募者の回答も理解しやすくなります。

Task:課題

次に、これまでに対応した課題やトラブルについて質問をします。課題・トラブルについて掘り下げることで、課題解決力やストレス耐性の高さ・有無を探ることができます。

具体的な質問例には、「過去のトラブルの中で印象的なものは何ですか」「そのトラブルが起きた原因は何でしたか」などがあります。

トラブル発生時の応募者の行動特性は過去の経験を深掘りしなければ把握できないため、課題質問は重要な意味を持つといえるでしょう。

Action:行動

次に、課題やトラブルに対する応募者の行動について質問をします。実際にとった行動やそのときの思考を知っておくことで、再び同じような課題・トラブルに直面した際の対応を推測できます。

具体的な質問例には、「そのトラブルに対処するため最初にとった行動は何でしたか」「なぜその行動をとったのか教えてください」「課題解決のプロセスについて教えてください」などがあります。

面接でトラブルにどう対処したのかを質問することは珍しくありませんが、その質問が想像で答えられるような内容だと応募者の行動特性を正確に把握することはできません。

しかし、過去にとった行動を掘り下げれば、応募者のリアルな行動特性を追求することができます。そのため、行動質問を投げかけることも重要なステップといえます。

Results:結果

最後に、応募者がとった行動がもたらした結果について質問をします。「課題やトラブルを無事に解決できたか否か」とあわせて「結果をどう解釈しているか」を尋ねることで、応募者の特性(例:物事を客観的に捉えられるタイプ、トラブルを成長の糧にするタイプ)などを把握できます。

具体的な質問例には、「あなたがとった行動は業務にどのような影響を与えましたか」「課題やトラブルを通して何を学びましたか」「(もし行動した結果、トラブルを解決できなかった場合)どうすれば解決できたと思いますか」などがあります。

採用後も課題やトラブルは必ず発生するため、それらをどう受け止め、どのように乗り越えるかを確認することは、応募者を見極める上で重要なポイントといえるでしょう。

押さえておこう!STAR面接のメリット・デメリット

STAR面接を実施することには、以下のメリット・デメリットがあります。

STAR面接のメリット

STAR面接を実施するメリットは以下の2つです。

応募者の本質を把握できる

STAR面接では、ひとつの出来事に対して4つの要素に関する質問をします。これにより、応募者の過去の行動を深掘りできるほか、万が一応募者が話す内容に誇張や嘘があれば発言に矛盾が生じてすぐに気付けるため、企業は応募者の本質を把握しやすいといえます。

場合によっては、質問と回答を繰り返す中で応募者本人が自覚していない人柄まで把握できることもあるので、一般的な面接以上に応募者への理解を深めることが可能です。

面接担当者の評価基準を揃えられる

面接担当者が複数人いる場合、各担当者で評価基準が異なり、評価がブレることがあります。

その点、STAR面接ではあらかじめ質問内容や重視する資質を決めるため、面接担当者が複数人いる場合でも評価基準を揃えやすくなっています。また、「なぜ採用にしたのか(不採用にしたのか)」という理由が明確になるため、STAR面接の振り返りを次年度以降の採用活動に活かせば、評価基準をより統一しやすくなるでしょう。

STAR面接のデメリット

STAR面接を実施するデメリットは以下の2つです。

質問をアレンジすることができない

STAR面接は、いわば構造化された面接なので、それゆえのデメリットがあります。具体的には、面接の都度、質問をアレンジしたり例外的な質問をしたりすることができません。

仮にそのようなことをすると、公平な評価基準で応募者の合否を判断することができなくなるため、質問内容を明確にしてそれだけを投げかけるよう徹底する必要があります。それでももし「別の質問もしたい」という場合は、STAR面接とほかの選考方法を組み合わせるのがよいでしょう。

ハロー効果により本質を見落とす可能性がある

ハロー効果とは、応募者の特徴がほかの特性の判断に影響してしまうことです。たとえば、「高学歴だからビジネススキルも高い」というように、学歴だけで過大評価してしまうケースがあります。

この場合、評価の公平性を保てないだけでなく、応募者の本質を探れないことで入社後にミスマッチが発覚したり早期退職につながったりする可能性があります。そのため、STAR面接において面接官を務める際は、先入観を除くことが大切です。

正しく行って成果を得よう!STAR面接を実施する際のポイント

STAR面接を実施する際は、あらかじめ以下のポイントを押さえましょう。

評価項目と求める人物像を明確にする

STAR面接で成果を出すには、質問に対する評価項目と求める人物像を明確に定める必要があります。これらが定まっていない場合、面接担当者同士で評価のズレが起きかねません。そのため、自社の採用基準を明確にした上で「どのような人材(知識・スキル)が必要か」「どのような評価項目を設けるべきか」をよく考えることが大切です。

圧迫感を与えないよう注意する

STAR面接は掘り下げた質問をして応募者の内面に迫る手法のため、場合によっては「圧迫面接だ」と感じる応募者が出てくることもあります。もし圧迫面接の印象を持たれてしまうと、応募者が必要以上に緊張・警戒し、企業として望んでいる答えを得られなくなるかもしれません。

こうした事態を避けるためにも、「威圧的な態度をとらない」「応募者の回答を否定・侮辱しない」といった点には十分注意しましょう。

有名企業が導入!STAR面接を実施している2つの企業

STAR面接は、大手外資系企業である「Google」や「Amazon」でも実施されています。

Googleでは「構造化面接」を実施しており、それは「行動についての質問」と「仮説に基づく質問」の2つに分けられ、前者がSTAR面接に該当します。行動についての質問では、以前の業績についての説明を応募者に求め、現在の職務で求められるものと照らし合わせることで評価しています。

Amazonでは「行動に基づく面接」としてSTAR面接を実施しています。過去に直面した状況やチャレンジについて、またそれをどのように解決したかについて応募者に問うことで評価しています。

参照:構造化面接を実施する|Google re:Work / 対面面接|amazon jobs

まとめ

応募者がこれまでにとった行動について深掘りする「STAR面接」では、自社が求める人材かどうかを比較的容易に確認できます。そのため、もし採用のミスマッチが多発しているのであれば、STAR面接を実施してみるとよいかもしれません。ぜひ検討してみてください。

なお、sonar Timesではこのほかにも面接に関する記事を公開しています。あわせてご覧ください。

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この記事の著者

寛之大内