人材採用を軌道に乗せるためのポイントとは?主な採用方法とともにご紹介

「人材をなかなか確保できない」とお悩みの人事担当者の方は少なくないでしょう。では、その原因は一体何なのでしょうか。また、人材採用を成功させるにはどうすればよいのでしょうか。
今回は、人材採用が困難になっている原因から、成功させるためのポイント、採用戦略を策定する重要性まで詳しく解説します。あわせて、人材採用の主な方法もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
まずは現状を理解しよう!人材採用が困難になっている原因
人材採用が軌道に乗らず、人員不足に悩んでいる企業は少なくありません。その原因には、主に以下の2つが挙げられます。
生産年齢人口の減少
少子高齢化により、日本の生産年齢人口(15〜64歳)の人数は減少傾向にあります。

実際に、総務省統計局が発表している「人口推計の結果の概要」を見ると、平成29年は日本の生産年齢人口が「60.0%」であるのに対し、平成30年は「59.7%」、令和元年は「59.5%」と減り続け、令和4年9月1日時点では「59.3%」にまで減少しています。これにより求人倍率が高くなり、優秀な人材を確保するのが困難になっているのです。
企業と求職者のミスマッチ
これまでは、多くの企業が「新卒や第二新卒を採用して優秀な人材に育てる方針」を採用していました。しかし、新型コロナウイルス感染症が拡大したことによって経営状況が厳しくなり、人材育成の余裕がなくなったため、採用時点で即戦力となる人材を求める企業が増えたことも原因です。
このように方針が変わったことで、「企業が求める人材の能力」と「求職者の実際の能力」に差が生まれ、人材採用が困難な状況になっていると考えられます。
人材採用を成功させるには?3つのポイントを押さえよう

では、企業が人材採用を成功させるにはどのようなポイントを押さえればよいのでしょうか。
1.求める人材の要件を明確にする
「企業と求職者のミスマッチ」が人材採用が困難になっている原因であることを踏まえると、求める人材の要件を明確にすることは、人材採用を成功させる上で不可欠といえます。
なぜならば、「企業の経営理念や目標に合った人材にはどういう特徴があるか」のほか、今いる社員にヒアリングした必要な経験・知識・スキルなどを明確化して求人情報に掲載することで、ミスマッチが起こるのを防ぎやすくなるためです。
2.採用対象となる人材の幅を広げる
「人材採用=新卒(第二新卒)・中途を対象とした採用活動」とは限りません。高齢者や外国人を採用することもできれば、企業として障害者雇用を推進することも可能です。生産年齢人口が減少する中、採用対象となる人材の幅を狭めると採用難を脱することはできません。そのため、多様な人材に目を向けると同時に、多様な人材が働ける環境を作ることが大切です。
なお、高齢者雇用を進める際には「高年齢雇用継続給付」について理解しておくと安心です。詳しくは以下の記事でご紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。
高齢者雇用するなら理解すべき!高年齢雇用継続給付の概要と計算・申請方法
3.働き方の多様化を理解する
働き方が多様化している今、従来の働き方を押し付けているようでは人材採用は困難なままです。たとえば、「オフィス出社必須」「副業禁止」など今の時代に沿わないルールやシステムが残っている場合、それが人材採用の妨げになることがあります。そのため、新たに人材を確保するには、社員一人ひとりが望む働き方を実現させられるような環境を整えることが大切です。
つまり、伝統やルールを重んじつつも働き方の多様化を受け入れる企業へと進化することこそが、人材採用成功の鍵といえるでしょう。
人材採用を成功させる上で欠かせない!採用戦略の策定
人材採用を成功させるには、前述したポイントを押さえると同時に、採用戦略を立てる必要もあります。採用戦略とは、求める人材を採用するために企業が策定する採用活動の作戦のことです。
繰り返しになりますが、昨今は生産年齢人口が減少傾向にあるため、「就職・転職を希望する求職者」よりも「人材を採用したい企業」が多い売り手市場になっています。その中で新たな人材を採用するには、求職者に寄り添った採用戦略を策定して採用活動を行うことが欠かせません。なぜなら、「求職者に選ばれる企業」にならなければ求める人材を確保しづらくなるからです。
また、労働法の改正により、今後はさらに働き方の多様化が進むと予想されています。そのため、人材採用を成功させるには、目先のメリットだけを見据えた採用戦略ではなく、働き方の多様化に対応した組織づくりも考慮した「中長期的な採用戦略」を策定することが求められます。
つまり、求職者に寄り添うこと、そして多様な働き方に対応できる組織づくりを考慮した採用戦略を策定することで、人材採用を軌道に乗せやすくなるといえます。
なお、採用戦略の策定方法については以下の記事でご紹介しているので、ぜひご覧ください。
新卒・中途採用戦略の立て方!採用活動成功の具体的なポイントと策定の流れ
自社に適した種類を選ぼう!主な人材採用の方法

人材採用の方法は複数あり、その中から自社に合った種類を選ぶことが大切です。
以下では、「最新の採用方法を一挙ご紹介!自社に最適な手法で採用活動を成功させるポイント」の記事から、とくに定番の採用方法と売り手市場・SNS時代の今注目を集める採用方法を抜粋してご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
【定番】求人媒体の利用
人材採用の定番ともいえる方法には、求人媒体の利用があります。「Web媒体」「紙媒体」の2種類があり、どちらも自社の求人情報を掲載して求職者からの応募を待つという流れになっています。
求人媒体の利用には「採用につながらなくても費用がかかる」というデメリットがある一方で、 「求める人材に合わせて媒体を選べる」というメリットがあります 。そのため、媒体を適切に選べば求める人材を確保しやすくなるでしょう。
【定番】自社採用サイトの制作・運用
自社採用サイトを制作・運用するのも定番の方法です。採用に特化したサイトであり、求職者に閲覧されることが多いため、社内の雰囲気や社員の声などを掲載するのがおすすめです。
この方法には「自社に興味を持つ人材しか閲覧しない可能性がある」というデメリットがある一方で、「企業情報もあわせて発信できる」というメリットがあります。サイトのデザインや掲載する写真を工夫して、自社の魅力を存分に伝えましょう。
【最新】ダイレクトリクルーティングの実施
ダイレクトリクルーティングとは、企業の採用担当者から学生・求職者に直接アプローチをかけて人材採用を図る方法です。売り手市場の今、優秀な人材を確保しやすい方法として注目されています。
この方法には、「必ずしも採用につながるわけではない」というデメリットがある一方で、 「求める人材にアプローチできる」というメリット があります。従来の採用方法では自社に応募してくれなかったであろう優秀な人材にもコンタクトを取れる可能性があるため、積極的にアプローチするのがおすすめです。
【最新】ソーシャルリクルーティングの実施
ソーシャルリクルーティングとは、企業がSNSを利用して人材採用を図る方法です。TwitterをはじめとするSNSは、今や学生にとっても求職者にとっても欠かせないツールです。そのため、企業が積極的に利用することで、求める人材とコンタクトを取りやすくなります。
この方法には、「常に情報を発信する手間がかかる」というデメリットがある一方で、「拡散力が高い」というメリットがあります。転職意欲が高くない人材や自社に無関心な人材が偶発的に企業を知る可能性がある点は、ソーシャルリクルーティングならではのポイントといえるでしょう。
なお、そのほかの人材採用の方法については以下の記事を ご覧ください。
最新の採用方法を一挙ご紹介!自社に最適な手法で採用活動を成功させるポイント
まとめ
生産年齢人口の減少に伴い、売り手市場になっている今、人材採用を成功させることは容易ではありません。しかし、今回ご紹介したポイントを踏まえた上で採用活動に取り組めば、求める人材を確保できる可能性は十分にあります。「こういう時代だから」と諦めず、試行錯誤して人材採用を成功させましょう。