中途採用者向けの研修について知ろう!必要性や実施する目的・ポイントについて

中途採用者に早い段階で職場に馴染んでもらい、かつ業務を遂行する上で知識やスキルを習得してもらうためには、研修を実施するのがおすすめです。
そこで今回は、中途採用者向けの研修にフォーカスし、その必要性や目的、種類、内容の決め方についてご紹介します。あわせて、中途採用者向けの研修を成功させるポイントも解説しているので、ぜひご参考にしてください。
中途採用者向けの研修は必須?その理由とは
「中途採用者には社会人経験がある」という理由から、入社後の研修は不要と考えている企業もあるでしょう。しかし、働く場所が変われば仕事内容はもちろん、求められる役割も変わってきます。そのため、中途採用者になるべく早く定着・活躍してもらうには企業がサポートする必要があり、その方法のひとつが研修です。研修を実施すれば、中途採用者に今の企業で必要な知識・スキルを伝授できるため、早期戦力化を実現しやすくなります。
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出典:第2部 中小企業・小規模事業者のさらなる飛躍|中小企業庁
また、中小企業庁が発表したデータを見ると、中小企業・小規模事業者における採用後3年間の離職率は、中途採用では約3割となっています。決して高い割合ではありませんが、採用した人材がすぐに退職する状態が続くと、これまでの労力が無駄にな りかねません。また、人員確保のために再び採用活動をしなければならず、その場合は時間と費用がかさんでしまいます。
こうした事態を防ぐためにも、中途採用者向けの研修は行うべきです。業務に対するモチベーションを高める効果が期待できるため、離職を防ぎやすくなるでしょう。
押さえておこう!中途採用者向けに研修を行う目的
では、中途採用者向けの研修はどのような目的で行えばよいのでしょうか。
1.企業が掲げる理念や目的を理解してもらう
上述のとおり、中途採用者はある程度の社会人経験やビジネススキルを備えている傾向にあります。しかし、これから入社する企業についての情報量は新入社員と同程度です。
企業のミッションを達成するためチーム一丸となるには、社員一人ひとりが同じ方向を向く必要があり、そのためには中途採用者に自社の理念や目標を伝えて、理解してもらわなければなりません。この点から 、研修は「理念や目標について説明すること」を目的として行うケースもある といえます。
2.業務内容や必要な知識・技術を理解してもらう
業務の仕方やルールは企業によって異なるため、事前に中途採用者に説明しなければなりません。また、業務を遂行する上で必要な知識や技術を共有しておくことも大切なポイントです。そうすれば、中途採用者を早期に戦力化しやすくなり、これは企業にとって大きなメリットになります。
この点から、中途採用者向けの研修は「業務に関する情報を余すことなく伝えること」を目的として実施するケースもある といえます。
3.新しい職場に馴染んでもらう
中途採用者は、すでに関係性ができている組織の中に入ることになるため、孤立しやすい傾向があります。中途採用者がなかなか馴染めないことにストレスを感じて離職する、という事態を防ぐにはコミュニケーションを取れる場を作る必要があり、そのひとつが研修です。
研修を行うことで、中途採用者同士で支え合ったり、配属部署の上司や先輩とコミュニケーションを取ったりできるため、中途採用者が孤立するのを防ぎやすくなります。この点から 、研修は「中途採用者が早い段階で新しい職場に心を開けるようにすること」を目的として行うのも一案です。
特徴を踏まえて選ぼう!中途採用者向けの研修の種類
中途採用者向けの研修と一言でいっても、その種類はさまざまです。
座学による研修
座学とは、その名のとおり「座って学ぶ」講義形式の研修のことです。主に企業の理念や目標、社内ルールなどを共有する場合に実施します。そのため、「理念や目的を理解してもらう」という目的のもと研修を行うなら、座学 がおすすめです。
OJT・OFF JTによる研修
OJT(On-the-job Training)は座学とは対照的に、実際の業務を通して学ぶ研修のことです。配属先の上司や先輩とともに実際の業務に着手しながら、必要な知識やスキルを身につけます。学んだことをその場ですぐに活用・復習できるのは、OJTならではのメリットといえるでしょう。
一方OFF JT(Off-the-job Training)とは、一時的に職場から離れて行う研修のことです。具体的には、外部講師を招いた研修やセミナー、スクールなどが該当することから、社内 担当者の負担 を軽減するという特徴があります。このほか、OFF JTなら研修内容をコントロールしやすく、とくに力を入れて学ばせたい内容や身につけてほしいスキルなどを集中的に指導することが可能です。
eラーニングによる研修
eラーニングとは、パソコンやスマートフォンを使って学ぶ学習形態のことです。インターネット環境さえあれば、中途採用者にとって都合のよい時間と場所で受講してもらえます。そのため、企業都合で中途採用者の時間を奪う心配がなく、その点はメリットといえます。
また、eラーニングは反復学習にも最適なため、知識の定着にも効果的です。この点から「業務内容や必要な知識・技術を理解してもらう」という目的のもと研修を行うのであれば、eラーニング が望ましいといえます。
研修内容はどう決める?軸となる「オンボーディング」の考え方

中途採用者向けの研修の内容は、オンボーディングの考えを軸に決めるのがおすすめです。オンボーディングとは、企業が新入社員を特定の部署に配属し、組織(企業・部署)の一員として定着させ、戦力化させるまでのプロセスのことです。
前述したとおり、中小企業・小規模事業者における採用後3年間の離職率は、中途採用では約3割ということがわかっています。この原因のひとつは、入社後の数か月間しか研修やフォローを行っていないことだと考えられており、これは言い換えると、継続的に研修・フォローを実施すれば離職率を下げると同時に、即戦力化を実現しやすくなるということです。
そこで、重要になってくるのがオンボーディングです。研修内容を決めるにあたってオンボーディングを意識すれば、「入社してすぐに説明メインの研修を実施して終わり」というミスを防ぎやすくなります。つまり、受け入れから定着・戦力化するまでの長い期間、社員も含む企業全体で「中途採用者を受け入れるための研修・フォロー」を実施することができるのです。

このように、時期に応じて研修・フォローの内容を決めて実施することにより、中途採用者がすぐに離職する可能性をグッと下げることができます。
中途採用者向けの研修を成功させるには?知っておきたいポイント
中途採用者向けの研修を成功させるには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
具体的な目標を設定する
中途採用者向けの研修では、中長期的に育成していくことが重要です。そのため、中途採用者がこれまでにどのようなキャリアを積み、今後どのようなキャリアを積みたいのか、そのためにはどのような知識・スキルを習得すべきかを計画する必要があります。
具体的には、中途採用者本人の希望をもとに、具体的な目標とそれを達成するための課題を設定します。そうすれば、より有意義な研修を実現しやすくなり、企業・中途採用者がともに望む成長を果たしやすくなるでしょう。
中途採用者を客観的に評価する
中途採用者を客観的に評価し、それを見える化することも大切なポイントです。そのためには、個人の目標と企業の目標、それぞれの達成度で評価する「目標管理評価」、上司・同僚・部下などが評価する「360度評価」など、客観的に測れる人事評価制度が欠かせません。
これらを取り入れることで、中途採用者が自らの頑張りを把握できるようになり、たとえば「頑張りが足りないからもっと努力しよう」などと、仕事へのモチベーションを高めるきっかけになる可能性があります。
こまめに中途採用者をフォローする
中途採用者向けの研修を成功させるには、こまめに振り返りを行いフォローすることも大切です。そうすることで、中途採用者のやる気を把握できると同時に、維持・向上させやすくなります。また、悩みに寄り添いアドバイスをすることで、さらなる成長につなげられる可能性もあります。
まとめ
中途採用者に対して、「離職を防ぎつつ、早い段階で定着し戦力化してほしい」と願う企業は多いでしょう。これを実現するには、中途採用者向けの研修を実施することが大切です。たとえば、研修を通して社員やほかの中途採用者とコミュニケーションを取れる場を設ければ、早い段階で新しい職場に馴染んでもらうことができ、離職を防ぎやすくなります。
「これから中途採用者向けの研修を実施したい」と少しでも興味を持 たれている場合は、今回ご紹介した内容を参考にぜひ実践してみてください。
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