インターンシップの目的は企業と学生で異なる!事前に押さえて内容決めの参考にしよう

インターンシップを成功へと導くには、実施する目的を明確にすると同時に、学生が参加する目的に寄り添った内容にする必要があります。
そこで今回は、インターンシップの目的を企業側と学生側に分けてご紹介します。あわせて、企業がインターンシップを実施する際の注意点も解説しているので、ぜひご参考にしてください。
学生に就業体験を提供!インターンシップとは
インターンシップとは、実習や研修的なプログラムを通して学生が就業体験をする制度のことです。
企業はインターンシップを実施することで、自社に対する学生の志望度を高めやすくなるほか、採用のミスマッチを防ぎやすくなります。一方で学生はインターンシップに参加することで、企業理解を深めたり、職場や社員の雰囲気を肌で感じたり、やりたいことを見つけたりできます。
インターンシップの種類やプログラムの内容は、企業によって異なります。また、インターンシップの実施期間もさまざまのため、前もって「自社に合ったインターシップとはどのようなものか」を考えておくことが大切です。
インターンシップの主な種類
インターンシップと一言でいっても種類は複数あり、主に「講義・セミナー型」「プロジェクト型」「就業体験型」「課題突破型」の4つが挙げられます。

なお、インターンシップの種類については以下の記事でも解説しているので、ぜひご覧ください。
インターンシップとは?内容はどう決めるべき?主な種類・期間とともに徹底解説
理解してより有意義な時間に!インターンシップを実施する目的

企業がインターンシップを実施する目的には、主に以下の3つが挙げられます。
1.採用後のミスマッチを防ぐため
業務内容や働き方、働いている人材など、企業の情報が学生にあまり知られていない場合、自社に興味を持ってくれる学生が少なくなってしまいます(なかなか増えません)。自社のホームページで情報を発信しているとしても、それだけでは伝わりづらい場合もあります。仮に、その状況のまま学生を採用した場合、ミスマッチが生じて早期退職につながりかねません。
そのため、多くの企業は「自社について理解を深めてもらい、採用後のミスマッチを防ぐこと」を目的としてインターンシップを実施していると考えられます。
2.優秀な人材を発掘するため
優秀な人材かどうかを、書類選考や採用試験だけで見極めるのは至難の業です。その点、インターンシップを実施すれば、その学生がどういう考えを持ちどう行動するか、ほかの参加者や社員とどうコミュニケーションを取っているかを直接確認できます。これにより、企業は目星をつけた学生が将来有望な人材かどうかを見極めやすくなり、結果として優秀な人材を発掘しやすくなるのです。
この点から、「複数の学生の中から優秀な人材を発掘すること」を目的としてインターンシップを実施している企業も多いと考えられます。
3.即戦力となる人材を育成するため
上述のとおり、インターンシップは実習や研修的なプログラムを通して学生が就業体験をする制度です。企業によっては実際の業務に携わらせる場合もあり、さまざまな経験を通して学生に「自社の業務に即した学び」を得てもらいます。つまり、インターンシップを実施することで企業は、入社した学生がなるべく早い段階で即戦力となるような体制を整えられるのです。
この点から、「即戦力となる人材を育成すること」を目的としてインターンシップを実施している企業も多いと考えられます。
内容決めのヒントになる!学生がインターンシップに参加する目的

では、学生はどのような目的でインターンシップに参加しているのでしょうか。
学生側の目的を知っておけば、学生に寄り添ったインターンシップを実施でき、企業側の目的を達成しやすくなります。ぜひチェックしてください。
1.自己分析をするため
学生がインターンシップに参加する目的には、まず「自己分析をするため」が挙げられます。グループワークに参加したりほかの参加者と交流したりすることで、自分の強み・弱みのほか、考え方、やりたい仕事・やりたくない仕事などを発見できると考えているようです。また、社会人の先輩(社員)の話や意見を聞くことで自己分析を深められる、と考える学生もいます。
そのため、企業としては学生の目的を考慮して、プロジェクト型(グループワークやグループディスカッション)や就業体験型のインターンシップを実施するのがおすすめです。ほかの参加者や社員とコミュニケーションを取りやすい内容にすることで、自己分析をサポートできます。
2.業界・企業への理解を深めるため
「業界や企業への理解を深めること」を目的として、インターンシップに参加する学生もいます。この目的を持っている学生は、興味のある業界・業種がわからず悩んでいる可能性があります。
そのため、企業としては学生の目的を考慮して、業界状況・業務内容などの説明がメインとなる講義・セミナー型のインターンシップを実施するのがおすすめです。
このほか、実際の業務に関連した課題の解決策についてグループディスカッションなどを行う、課題突破型のインターンシップを実施するのも一案です。「どのような業務を行っているのか?」という学生の疑問を解消しやすくなるでしょう。
3.新たな人脈を作るため
インターンシップに参加した場合、学生はほかの参加者や社員と出会うことができます。ほかの参加者と交流を深めれば、就活情報を共有できたり一緒に頑張る仲間を増やせたりします。一方で社員とつながりができれば、インターンシップ後も仕事に関する情報を得やすくなるでしょう。
これらの考えから、「新たな人脈を作る」という目的でインターンシップに参加する学生もいます。
そのため、企業としては学生の目的を考慮して、グループワークがメインとなるプロジェクト型や課題突破型のインターンシップを実施するのがおすすめです。ほかの参加者と力をあわせて課題に取り組むため、必然的に交流の場を提供することができます。このほか、学生が社員と交流できるよう座談会をプログラムに組み込むのも一案です。
4.内定を獲得するため
インターンシップは、学生と社員が密接にかかわる貴重な場です。そのため、「自らの能力をアピールして内定を獲得すること」を目的としてインターンシップに参加する学生もいます。この場合、学生は自らの能力を社員にアピールできる場を強く求めていると考えられます。
この点から、企業としては学生の目的を考慮して、実際の業務に即した課題の解決策についてグループディスカッションなどを行う「課題突破型」のインターンシップを実施するのがおすすめです。思考力が必要になるプログラムなので、学生が自らの能力を発揮しやすくなるでしょう。
あわせて押さえよう!インターンシップを実施する際の注意点
インターンシップに対する企業側の目的と学生側の目的、それぞれを理解した上でプログラムを決めても、それを中途半端に実施しては元も子もありません。
たとえば、講義・セミナー型のインターンシップを長期で行った場合、学生は「長期なのに講義を受けるだけ?」と不満を抱く可能性があり、さらには企業のイメージが悪化する恐れもあります。
こうした事態を防ぐには、インターンシップを実施する際に「内容に応じて期間を決める」「複数のプログラムを組み合わせる」などの工夫を凝らすことが大切です。そうすれば、学生への配慮が行き届いたインターンシップを実施しやすくなり、求める人材を確保できる可能性も高まるでしょう。
なお、インターンシップを実施するコツや事例については、以下の記事でも詳しくご紹介しているので、ぜひご覧ください。
採用につながるインターンシップとは?実施するコツと事例を参考に優秀な人材を確保しよう
まとめ
インターンシップの目的は、実施する企業と参加する学生で大きく変わってきます。
実施する側の企業としては、「自社がどういう目的でインターンシップを行うか」という点だけ明確にしておけば問題ないと考えるかもしれませんが、あわせて「学生がインターンシップに参加する目的」も把握しておけば、より有意義な時間を提供できます。また、インターンシップを通して求める人材を確保しやすくなるでしょう。
そのため、インターンシップを実施する際は企業と学生、それぞれの目的を明確化、そして把握することが大切です。今回ご紹介した内容をぜひご参考にしてください。
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