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採用通知書の目的や記載内容を把握して内定辞退の防止!迅速な対応とフォローが大事

「採用通知書」は、求人の応募者に対して採用する意思を伝える書類です。必ずしも必要なわけではないものの、採用通知書を発行することで「応募者に安心してもらえる」という側面があります。


今回は、採用通知書の概要や、ミスなく作成するための書き方などについてご紹介します。記入漏れやミスがあると会社の信用問題に関わってくるので、ぜひご参考ください。

採用通知書とは?

事務や採用担当者として働き始めたばかり、もしくは人材採用がしばらくぶりの場合、必要な書類についてしっかり把握できていない可能性があります。

いざ採用したときに「どのような書類が必要なのか」と焦らないためにも、採用通知書について理解を深めておきましょう。

採用通知書の目的と法的な効力

採用通知書とは、求人の応募者に対して企業側が正式に採用する旨を伝える書類のことです。

発行するか否かは企業で自由に決めることができ、「必ず発行しなければならない」というルールはありません。

ただし、採用通知書を発行すれば、応募者がほかの企業に就職することを思い留まる可能性が高まります。そのため、採用することが決まったら早急に発行したほうが安心です。

採用通知書 は、あくまでも企業側の採用決定の意思を表した書類なので 、 発行したからといって必ずしも応募者が入社するとは限りません 。
辞退される可能性もあるため、あらかじめ念頭に置いておきましょう。

採用通知書の記載事項・書き方・テンプレート

採用通知書は応募者に対して採用を通知する正式な書類なので、記入漏れやミスがないよう十分に注意しなければなりません。
もし、漏れやミスがあった場合は会社の信用問題に関わり、トラブルに発展する恐れもあるため、あらかじめ記載事項や正しい書き方を押さえておきましょう。

採用通知書の記載事項 

採用通知書の記載事項は、以下のとおりです。

・日付
・氏名(様)
・差出人名(会社名・住所・電話番号・代表もしくは採用担当者の氏名)
・採用通知書(タイトル)
・書き出しの挨拶
・採用決定の旨
・同封書類の内容
・書類の提出期限
・頭語と結語
・締めの挨拶

一般的には、上記の内容を記載します。
くわえて、入社時に必要な持ち物や今後の流れ・スケジュールも記載すると、より親切な採用通知書に仕上がります。

採用通知書の書き方

採用通知書を書く際は、以下の手順で進めましょう。

1.左上に応募者の氏名を記載
2.右上に作成日や会社名、住所、部署、氏名を記載
3.中心に「採用通知書」と記載
4.「採用通知書」の下に、感謝の言葉や採用の旨を記載(「拝啓」から始めて「敬具」で締める)
5.別記として、同封書類の内容や書類の提出期限、入社日、出社場所などを記載
6.最下部の右下に、問い合わせ先を記載

なお、一から作成するよりも記入漏れやミスを防ぐためテンプレートを活用するのがおすすめです。

テンプレート

                                 令和◯◯年◯◯月◯◯日
◯◯ ◯◯ 様
                                   株式会社◯◯◯◯◯
                             ◯◯県◯◯市◯◯区◯◯町◯丁目
                                    人事部 ◯◯ ◯◯

採用通知書

拝啓 このたびは、弊社の求人にご応募いただきまして、誠にありがとうございました。
また、先日はお忙しい中、ご足労いただきましたこと、重ねてお礼申し上げます。

さて、慎重かつ厳正なる選考の結果、このたび貴殿を弊社社員として採用することに決定いたしましたので、ご通知申し上げます。

つきましては、同封の書類にお目通しいただき、必要事項をご記入の上、ご準備のほど宜しくお願いいたします。
 
なお、応募書類に関しましては弊社人事部にてお預かりさせていただきますこと、ご了承いただければと存じます。今後とも引き続きよろしくお願い申し上げます。

                                         敬具

・同封書類 入社承諾書(◯◯月◯◯日までにご返送ください) 1部
      誓約書(入社承諾書と共にご返送ください)    1部

・入社日  令和◯◯年◯月◯日(◯◯時◯◯分までにお越しください)

・出社場所 当社 ◯階 ◯◯室

・入社日に持参していただくもの ◯◯、◯◯、◯◯

・その他

                                          以上
何かご不明な点がございましたら、下記までお問い合わせください。

本件に関する問い合わせ先  人事部:◯◯ ◯◯
              TEL:◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯


採用通知書の同封書類

採用通知書を送る際は、主に「添え状」「入社承諾書」「 誓約書」「返信用封筒」の4つを同封する必要があります。

添え状は、「このような書類をお送りします」という旨を記載したもの。
基本的にどの書類に対しても添え状を同封する必要があり、一般的なマナーとされています。

入社承諾書はその名のとおり、応募者が入社することを承諾した場合に必要な書類です。
入社を誓約する内容が記されるため、内定辞退を防ぐことができます。

企業側が記載すべき箇所は、「会社名」「代表取締役名」「採用内定通知を受け取ったという旨」「入社誓約の内容」「入社日」「日付記入欄」「住所記入欄」「氏名記入欄」「押印欄」の9つです。
企業が記入すべき項目を埋めたのち送付し、残りを応募者に記入してもらいます。


入社誓約書は、いわば「会社との約束を守る」という書類です。
記載内容は入社承諾書とほぼ同じになるため、まとめて発行することもあります。

返信用封筒は、応募者が入社承諾書や入社誓約書を企業へ返送する際に使用するもの。
仮に返信用封筒を同封しなかった場合、応募者に負担がかかってしまうだけでなく、会社の印象が悪くなる恐れがあります。
また、返送が遅れてしまう可能性もあるので、忘れず同封するようにしましょう。

送付するタイミング

採用通知書を送付するタイミングは、面接から1週間以内がベストです。

なぜなら、あまりにも遅すぎると応募者の入社意欲が下がってしまったり、
不採用だと勘違いして ほかの企業への入社をきめて しまう可能性があるためです。

早めに採用の旨を伝えることによって、自社へ入社する可能性を高めることができます。
このほか、早めに採用通知書を送付することで、「対応が早い会社」と好感度を高められる可能性もあります。

その後の入社までの手続きについて

応募者より採用通知書や入社承諾書などの書類が返送され入社が決定したら、雇用契約書を作成します。

雇用契約書には、以下の内容を記すよう義務付けられています。

・労働契約の期間
・就業規則
・従事する業務内容
・始業・終業時間、休日、休憩時間、所定労働時間を超えた場合の労働有無
・賃金・賞与など
・退職事項(解雇事由も含む)

作成したら応募者と一緒に内容を確認しつつ、疑問・質問があればその場で解決していきます。
また、双方で控えを持っておくため2部発行しておきましょう。

このほか、社会保険の手続きも必要になります。
「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」を年金事務所、もしくは健康保険組合・厚生年金基金に提出します。
提出期間は雇用開始から5日以内と定められているため、早めに提出するよう注意が必要です。

まとめ

採用通知書は、「正式に採用する旨を応募者に伝える」という役目を持つ重要書類です。

法的な効力はないものの、応募者がほかの企業に就職しないようサポートする役割は果たせるため、採用を決めたら早急に発行することをおすすめします。

また、発行する際は記入漏れ・ミスがないよう十分に注意が必要です。
今回ご紹介したテンプレートを参考に、正しい採用通知書を作成しましょう。

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この記事の著者

寛之大内