入社前研修(内定者研修)とは?目的とポイントを押さえて内定者と信頼関係を築こう

「内定者と良好な関係を築けているか」と不安を抱えている企業は、ぜひ入社前研修に目を向けてみてください。内定者に寄り添った内容にすることで、信頼関係を構築しやすくなります。
今回は、入社前研修の概要や目的とともに、実施する際のポイントについて解説します。あわせて、入社前研修で指導すべきビジネススキルもご紹介しているので、ぜひご覧ください。
学生の悩みや不安を解消!入社前研修とは
入社前研修とは、学生の不安や悩みを解消するため、入社前に内定者へ課題を与えたり研修を行ったりする施策のことです。詳しくは後述しますが、実施する目的には「内定者の辞退防止」や「即戦力となる人材への育成」などがあります。
株式会社ディスコ キャリタスリサーチが発表した「調査データで⾒る『入社に向けた内定者フォロー』」によると、約60%の学生が内定期間中に研修や課題が出ることに賛成しています。この結果から、入社前研修を求めている学生は決して少なくないとわかります。
参照:調査データで⾒る「入社に向けた内定者フォロー」|株式会社ディスコ キャリタスリサーチ
内定者はどのような不安を感じている?
同上の調査によると、内定期間において「不安を感じた」と回答した学生は91.1%。具体的には、「仕事についていけるか」という不安が62.4%でもっとも多く、次いで「入社後、人間関係がスムーズにいくか」の61.5%、「社会人の生活リズムに慣れるか」の60.2%と続きます。この結果から、ほとんどの内定者が社会人への変化を前に、何らかの不安を感じていることが伺えます。
参照:調査データで⾒る「入社に向けた内定者フォロー」|株式会社ディスコ キャリタスリサーチ
入社前研修の主な内容
入社前研修の内容は、主に以下の3つに分けることができます。
1.働くことを具現化する | 「社会人とはどのような存在か」「学生と社会人の違い」などについて考え、「働くこと」を広い意味でイメージしてもらう |
2.企業を深く理解する | 企業によって異なる「特色」や「業務内容」「仕事の進め方」などに対する理解を深めて、働くイメージを明確化してもらう |
3.ビジネスマナーを習得する | ビジネスシーンにおいて最適な服装や挨拶、敬語の使い方、ほうれんそう(報告・連絡・相談)の重要性などを習得してもらう |
正しく理解しよう!入社前研修を行う3つの目的

入社前研修を実施する目的には、以下の3つが挙げられます。
1.内定者の不安や悩みを解消する
第一に、入社前研修には「内定者の不安や悩みを解消する」という目的があります。上述のとおり、内定期間中に不安を感じている内定者は多いので、入社前研修を通して払拭するのです。
具体的には、たとえば内定者同士が交流を深められるようなプログラムを組むのがおすすめです。どのような能力・考え方を持つ人と一緒に働くのかがわかるので、「ほかの内定者とうまくやっていけそうか」といった内定者の不安を取り除ける可能性があります。
このほか、内定者から直に不安や悩みを聞く機会を設けるのも一案です。不安や悩みの事前解消に貢献しやすくなり、結果として内定辞退や早期退職の防止につながるでしょう。
2.内定者の辞退を防止する
入社前研修を実施することには、「内定者の辞退を防止する」という目的もあります。
昨今は、「就職を希望する学生」よりも「学生を採用したい企業」のほうが多い売り手市場です。そのため、就職活動を通して複数の企業の内定を得る学生も珍しくありません。これは言い換えれば、入社日を迎えるまでの間に内定辞退される可能性もあるということです。
この事態を防ぐには、早い段階から企業理解を促し、内定者に「自社で働く意欲・意義」を深く認識してもらう必要があります。そのため、内定者に対する積極的なアプローチ・フォローとして入社前研修を実施するのです。
3.即戦力となる人材へと育成する
このほか、「即戦力となる人材へと育成する」という目的も挙げられます。
売り手市場の今、優秀な人材を確保するのは決して容易ではありません。そのため、内定・採用した学生を即戦力となる人材へと育成することも、企業にとって重要なポイントです。
たとえば、入社前研修を通してビジネスマナーや文書スキル、対人スキルなどを指導すれば、内定者が自分に自信を持てるようになります。また、企業にとっては入社後スムーズに業務を任せられるほか、新人を受け入れる現場の負担軽減にもつながり、一石二鳥です。
要チェック!入社前研修を実施する際のポイント
入社前研修を実施する際は、以下のポイントを押さえるようにしましょう。
入社前研修の目的・ゴールを決める
企業にとっても内定者にとっても有益な入社前研修にするには、目的・ゴールの明確化が必須です。これらをしっかり定めることで、有意義な研修を設計しやすくなります。
たとえば、「必要な知識・スキルを入社までに習得してもらうこと」が目的なら、入社時点で必要な知識・スキルをゴールとして設定しましょう。そうすれば、逆算して研修内容を設計できるほか、内定者が入社後すぐに即戦力として活躍する可能性が見込めます。
企業・内定者の両方にとって有益な内容にする
企業側の目線だけで研修内容を決めると、内定者の不安や悩みを解消できない場合があります。そのため、企業と内定者の両方にとって有益な入社前研修にすることを心掛けましょう。
たとえば、企業にとって有益な「現場で求められるスキルの研修」を組み込んだとします。その場合は、内定者のニーズに応えたりスキルを成長させたりできる内容をプラスすることが大切です。そうすれば、企業だけでなく内定者にとっても有益な入社前研修を設計できます。
オフライン・オンラインを使い分ける
新型コロナウイルス感染症の拡大により、三密を避けることが求められている昨今。入社前研修の内容によっては「オンラインで開催する」という選択肢を取ることも大切です。
たとえば、内定者の企業理解を深めるための講演は、オンラインで開催するのが望ましいといえます。どこでもリアルタイムで視聴してもらえるのはもちろん、生配信を録画しアーカイブとして残せば、何度も繰り返し観てもらうことが可能です。一方で、内定者懇親会はコミュニケーションやチームワークが重視されるため、オフラインで実施するのがおすすめです。
入社前研修で指導すべき!おすすめのビジネススキル

入社前研修では、具体的にどのようなビジネススキルを指導すればよいのでしょうか。以下で、おすすめのビジネススキルを2つご紹介します。
ビジネスマナー
ビジネスマナーは、社会人として最低限備えるべきビジネススキルのひとつです。入社前研修にて基礎的なビジネスマナーを指導すれば、入社後スムーズに専門的な研修を行うことができます。
またビジネスマナーには、インターネットを利用して学ぶ学習形態「e-ラーニング(オンライン)」で学びやすいという一面も。三密を防げるのでコロナ禍にも最適なほか、内定者は自分のペースで学習することが可能です。
パソコンスキル
文書やプレゼンテーション資料の作成、表計算など、ビジネスでは当たり前のスキルでも、学生にとっては難しく不慣れなことがほとんどです。そのため、入社前研修では基礎的なパソコンスキル(文書・資料作成、表計算、ショートカットキーなど)も指導するようにしましょう。
あわせて、メールやSNS、Wi-Fiにおけるセキュリティ関連の知識も教えることで、情報漏洩など入社後のトラブルを未然に防ぎやすくなります。
まとめ
新型コロナウイルス感染症の拡大により、内定者との信頼関係の構築が課題となっている企業は多いのではないでしょうか。もし心当たりがあるのなら、入社前研修を実施するのがおすすめです。
企業と内定者、双方にとって有益な内容にすれば、内定者の不安や悩みを解消したり内定辞退を防止できたりと、うれしいメリットを得られます。
今回ご紹介した、「実施する際のポイント」や「指導すべきビジネススキル」をご参考に、有意義な入社前研修を行ってみてください。
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