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経営ビジョンとは?経営理念との違いや掲げるメリットと策定方法を紹介

企業を取り巻く環境の変化が激しく、なかなか先が読めない現代において、経営ビジョンを策定することは、今後企業が成長しながら生き残る上で欠かせないステップといえます。

そこで今回は、経営ビジョンの概要や必要性、掲げるメリットについて解説します。あわせて、経営ビジョンの策定方法もご紹介しているので、ぜひご参考にしてください。

まずは理解を深めよう!経営ビジョンとは

そもそも、ビジョンとは「構想」「展望」を意味する英単語です。そこから転じて、経営ビジョンは「企業が掲げる目標を達成するための道筋や将来像」を指します。
一般的には期限を決めて策定しますが、それが絶対ではありません。経営理念と同じく、恒久的に策定するケースもあり、企業によってそのスタイルは異なります。

経営ビジョンを策定する目的は、主に「経営理念の実現」です。このほか、経営理念の実現を社員に浸透させ、将来像を明確にすることで経営を長期的に支えることも目的のひとつといえます。

経営理念とはどう違う?

経営理念とは、企業の経営に対する考え方や価値観など、すべての活動の根底にある要素のことです。対内的には「社員の行動を評価する際の判断基準になる」といった役目を担い、対外的には「企業の姿勢を示す」といった重要な役割があります。

これに対し経営ビジョンは、上述のとおり、企業が掲げる目標を達成するための道筋や将来像のことを指します。基本的に、経営ビジョンは経営理念に基づいて策定するので、いわば経営理念は「経営ビジョンの母体」なのです。そのため、経営ビジョンと経営理念は似て非なるものといえます。

VUCA時代であることが関係!経営ビジョンの必要性

経営ビジョンの必要性には、VUCA時代であることが深く関係しています。

企業を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変化しています。たとえば2000年ごろには、IT革命の加速によって産業構造が驚くほど変化しました。そして2020〜2021年現在にかけては、新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、これまでの常識がほとんど通用しなくなりました。つまり現代は、変動性が高く不確実な上に複雑、さらには曖昧さを含んだ社会情勢(=VUCA時代)なのです。

この背景から、企業はVUCA時代に順応できる組織を目指す必要があります。しかし、VUCA時代を生き抜くことができる「成功の方程式」はなく、またこれまでの成功体験をベースに経営戦略を策定したとしても、成功する保証はありません。では、企業はどうすればよいのでしょうか。

実は、この状況を打開する鍵こそが「経営ビジョンの策定」なのです。
状況が刻々と変わるVUCA時代では、柔軟に素早く経営戦略を練り直すことが求められます。このとき、もし経営ビジョンを策定していなかったら、現状から先のシナリオを描くことが困難となってしまいます。その点、経営ビジョンを明確にしていれば、先が読めない状況でも目標達成に向けてさまざまなシナリオを描けます。つまり、明るい未来を見据えた一歩を踏み出すために、試行錯誤することが可能になるのです。

こうした理由から、VUCA時代である現在において経営ビジョンは不可欠な要素といえます。

経営ビジョンは中小企業にこそ必要

中小企業をはじめ、企業にて経営ビジョンを策定し社員に浸透させれば、社員一人ひとりの能力を最大限に引き出しやすくなります。また、この取り組みは「どの企業目標に対し、どうアプローチしていくか」の明確化にもつながるため、企業活動が円滑になる効果も見込めます。

さらに、経営ビジョンの策定は中小企業における人材確保にも役立ちます。中小企業が大手企業を差し置いて優秀な人材を採用するのは、決して容易ではありません。しかし、経営ビジョンを策定し学生や転職者にアピールすれば、同じ志を持つ優秀な人材を確保しやすくなるのです。

これらの点から、中小企業こそ経営ビジョンを策定することが大切といえます。

主に3つある!経営ビジョンを掲げるメリット

経営ビジョンを策定することには、主に以下の3つのメリットがあります。

1.企業として一体感を醸成できる

経営ビジョンを策定すると目指すところが明確になるため、社員一人ひとりが同じ方向へ進めるようになります。その結果、企業として一体感を醸成することが可能です。
これは、フランチャイズを活用してチェーンを拡大したいと考える企業にとって、大きなメリットとなります。そのため、心当たりのある企業は早急に経営ビジョンを策定しましょう。

2.ステークホルダーからの信頼を得やすくなる

経営ビジョンは、企業が目指すべき方向を示すものとして、社内はもちろん社外にも表明します。その主な目的は、企業のステークホルダー(クライアント・投資家)に向けた意思表明であることがほとんど。つまり、説得力の高い経営ビジョン策定し表明すれば、ステークホルダーからの信頼を勝ち取れるほか、企業価値の向上を図ることができるのです。

3.社員のモチベーションが高まる

経営ビジョンが明確になると、社員は「自分は何をすべきか」がわかるようになります。そして、自らの役割を把握した社員は、企業における自分自身の存在意義を見出せるようになり、結果として仕事に対するモチベーションが高まりやすくなるのです。
モチベーションの向上は、社員が会社に留まろうとする理由(=退職しない理由)になり得ます。そのため、離職率の低下につながり、将来性のある優秀な社員を確保し続けることが可能です。

基本的な流れを押さえよう!経営ビジョンの策定方法

では、実際に経営ビジョンを策定するにはどうすればよいのでしょうか。以下で、基本的な策定方法を解説するので、ぜひご参考にしてください。

1.現状を把握する

経営ビジョンを経営者の独断と偏見だけで策定するのは望ましくありません。そのため、まずは業界や競合他社、社会情勢のほか、企業が抱えている課題など、現状を把握することから始めましょう。経営ビジョンの策定に必要な材料を集めることで、複数の側面から未来を想起することができます。

なお、自社を取り巻く環境を分析する際は「PEST分析」「3C」などの手法を使うのがおすすめです。たとえば、今後の経営戦略を考えたいときは「3C」を用いるとよいでしょう。

2.未来を予想しつつ自社の役割を考える

次に、未来に関する情報や仮説を収集したり中長期的な予測を立てたりして整理します。あわせて、未来を予想する上でターゲットとしている顧客にとって、5年後または10年後に必要なこと・喜ばれることを考えましょう。ここまで終えたら、予測した未来で自社はどのように独自の価値を提供すべきか、求められる役割を考えます。このステップを踏むことで、理にかなった経営ビジョンを策定しやすくなります。

3.経営理念との整合性を確かめて、経営ビジョンを言語化する

経営ビジョンの大枠ができたら、経営理念との整合性を確かめてみましょう。もし経営理念と経営ビジョンの内容にズレがあると、現場が混乱する可能性があるほか、求人活動を円滑に進められなかったりステークホルダーから信頼を得られなかったりする恐れもあります。こうした事態を避けるためにも、経営ビジョンの内容が経営理念からズレていないかは、必ず確認しましょう。

ここまで終えたら、ユニークな表現を用いて経営ビジョンを言語化します。一目瞭然で共感を呼び起こしやすい、キャッチーな表現にするのがポイントです。また、実際に声に出したときの語呂にも工夫を凝らすと、より印象的な経営ビジョンに仕上がります。

4.社員にヒアリングする

経営ビジョンは、社員が納得・共感できるのはもちろん、心が躍るようなものでなければなりません。そのため、経営ビジョンを策定できたら必ず社員に共有し、感想をヒアリングしましょう。具体的には、「企業が掲げる理想像を目指したいと思えるかどうか」を確認することが大切です。

5.企業全体に浸透させていく


ヒアリングを経て無事に企業ビジョンを策定できたら、その内容に応じた活動・管理を行い、経営ビジョンを企業全体に浸透させます。これは、とくに重要なステップといっても過言ではありません。なぜなら、いくら経営理念に基づいた経営ビジョンを策定できても社員に浸透していなければ、それは単なる経営者の妄想となってしまうためです。これまでのプロセスを無駄にしないためにも、経営ビジョンの内容に沿った行動を起こし社員一人ひとりに浸透させていきましょう。

まとめ

経営ビジョンとは、企業が掲げる目標を達成するための道筋や将来像のことです。先が読めないVUCA時代の今、その必要性は高くなっています。そのため、もしまだ策定できていないのであれば、この機会に考えてみることをおすすめします。
今回ご紹介した「経営ビジョンの策定方法」をご参考に、経営理念に基づいて経営ビジョンを策定してみてください。

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この記事の著者

sonarTimes 編集部
1000社以上にご導入された採用管理システム「sonar ATS」を展開。その知見をもとに、企業の採用・人事・経営にかかわるすべての人に最新の情報をお届けします。