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コンプライアンスの本来の意味?企業のコンプライアンス強化策と実際の違反事例

昨今、よく見聞きする「コンプライアンス」という言葉。どのような意味なのか、具体的にどうすると違反になるのか、理解をしていないと重大なトラブルに陥りかねません。

そこで今回はコンプライアンスに焦点を当て、概要や重要視されるようになった背景、違反事例についてご紹介します。あわせて、企業内のコンプライアンス違反を防止する対策法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

コンプライアンスとは何か?

コンプライアンス(compliance)とは、「要求や命令に応じること」「応諾」などを意味する英単語です。そこから転じて、ビジネスでは「企業が法律・条例をはじめ、社会規範や企業倫理、社内規定、就業規則などを守ること」を意味します。先に述べた項目は明確に定義されていませんが、中でも以下の3つは重要視されているため、押さえておくことが大切です。

法令国民が守るべきものとして国会や行政機関が制定した「法律」「政令」「府令」「省令」などの総称を指します。
社会規範企業が社会(主に消費者やクライアント)から求められる、倫理観や公序良俗を指します。社会が求める企業像は常に同じとは限らないため、こまめに見直し・改善に取り組むことが大切です。
就業規則社員が就業し業務を行う上で守るべき、ルールやマニュアルを指します。

コンプライアンスが重要視されるようになった背景

昨今、コンプライアンスという言葉を見聞きすることが増えましたが、それはいわば「これまで以上に重要性が増している」ということです。では、コンプライアンスが重要視されるようになった背景には、何が関係しているのでしょうか。

まず挙げられるのは、企業による不祥事が続いたことです。とくに1990年代〜2000年代はじめに頻出しており、たとえば2005年に起きた「JR福知山線脱線事故」では、その原因として組織的なパワーハラスメントが問題視されました。そして、1991年と2015年の二度にわたって社員の過労自死を引き起こした株式会社電通については、労働環境の軽視や常態化しているハラスメントの放置などが問題視され、社会的に激しい批難を受けました。

また、企業による不祥事は消費者にまで影響を及ぼすこともあり、この点もコンプライアンスが重要視されるようになった理由のひとつです。雪印食品株式会社・日本ハム株式会社が2002年に引き起こした「牛肉偽装事件」がその代表例で、国産牛肉と偽った輸入牛肉が流通したことによって、消費者の食の安全に対する意識が高まったといわれています。

企業による不祥事が起こると社員はもちろん、最終的には消費者・クライアントにも被害が及びます。そうなれば企業の社会的な評判は落ち、信頼を得られなくなってしまいます。
こうした事態を未然に防ぐため、これまで以上にコンプライアンスを重要視し、守ることに注力する企業が増えているのです。

コンプライアンス違反となった実際の事例紹介

では、これまでに起きたコンプライアンス違反には、ほかにどのような事例があるのでしょうか。

情報漏洩

情報漏洩の事例には、たとえば「株式会社ベネッセコーポレーションによる2,000万人以上の顧客情報漏洩」が挙げられます。グループ会社に勤務していた派遣社員が、業務上与えられていた権限を悪用し顧客情報を盗み出したことで、同社は260億円にも及ぶ損失を被りました。

このコンプライアンス違反において、とくに問題なのは顧客情報(=機密情報)の取り扱いが行き届いていなかったことです。同じような問題を引き起こさないためには、社員一人ひとりの権限をこまめに切り替えたり、管理・監視体制を強化する必要があります。

粉飾決算


粉飾決算(赤字決済を黒字決済かのように見せること)の事例には、たとえば「株式会社ライブドアによる有価証券報告書の虚偽」が挙げられます。本来の経常利益は−120%で赤字だったにもかかわらず、+300%の黒字と粉飾し投資判断を誤らせたのです。これにより同社は約1,600億円の資金を調達し、約145億円の持株を売却しましたが、粉飾決算が発覚したことで株価は暴落。結果的に、株式市場全体の大暴落につながり、経済に大きな痛手を残すこととなりました。

一度でも粉飾決算に手を染めてしまうと、後戻りはできなくなります。そのため、企業は偽りのないありのままの姿を表現していくことが大切です。

残業代未払い

残業代未払いの事例には、たとえば「株式会社SUBARUによる大規模な残業代未払い問題」が挙げられます。2015年〜2017年にかけての3年間、3,421名の社員に対し7億7,000万円にも及ぶ残業代を支払っていなかったのです。この事実を隠蔽していたこと、そして問題発覚のきっかけが2016年に起きた社員の過労自殺であったことが重なり、同社は社会的に厳しい批難を受けました。

企業が良好な経営を続け、成長していくためには、社員の存在が欠かせません。そのため、社員一人ひとりと真摯に向き合い、正当な給与・残業代を支払うようにしましょう。

労働環境

労働環境に関するコンプライアンス違反の事例には、たとえば上述した「株式会社電通による違法残業」が挙げられます。2015年10月〜12月にかけての3か月間、4名の社員を1か月の残業時間の上限を最大で約19時間超えて働かせていたのです。この事件によって新入社員の女性が過労自殺していることから、同社は有罪判決を受け、社会的にも激しく批難されました。

残業時間の上限は、労働基準法により原則として⽉に45時間・年に360時間と定められています。臨時的で特別の事情がない限り、この上限を超えて社員を働かせることはできません(※)。同じ過ちを起こさないためにも、今一度法令を確認しておきましょう。

※ 臨時的で特別な事情があり、かつ社員が残業を引き受けたとしても、月に100時間、年に720時間を超えて働かせることはできません。もし違反した場合は、罰則が科される可能性があります。

コンプライアンス強化を図る対策

コンプライアンス違反を防ぐには、以下でご紹介するような対策を取ることが大切です。

社内リスクの洗い出し

第一に、潜在的な社内リスクを洗い出す必要があります。ここでいうリスクとは、たとえば「長時間労働の可能性」「就業規則が時代錯誤になっている可能性」などです。これらを放置すると、知らぬ間にコンプライアンス違反を引き起こしてしまうこともあるので、少しでも何らかのリスクを感じたら早急に対処するようにしましょう。

社員教育の徹底

社員に対してコンプライアンスに関する教育を行うことも、コンプライアンス違反の対策につながります。具体的には、上述したような事例を共有することで、社員一人ひとりのコンプライアンスに対する意識を高めることが可能です。このほか、役職ごとに起こり得るコンプライアンス違反を踏まえて教育するのも、不祥事を防ぐ上で有効といえます。

定期的なコンプライアンス研修の実施

上述した社内での教育と並行して、専門サービスを利用したコンプライアンス研修を行うのもおすすめです。「ハラスメント」「情報漏洩」「著作権侵害」などテーマ別に実施することで、社員のコンプライアンスに関する知識をさらに深めることができ、結果として不祥事を防ぎやすくなります。

コンプライアンスプログラムの策定

コンプライアンスプログラムとは、法令を守り、かつ社会・企業倫理に則った活動を行うため、企業ひいては社員が守るべき計画のことです。これを策定し社員一人ひとりに周知することで、企業全体にコンプライアンスを遵守する意識が浸透しやすくなります。

内部通報者の保護

コンプライアンスの遵守を強化するなら、内部通報者の保護も欠かせません。なぜなら、コンプライアンス違反の事実を通報した社員が不利益を被るケースは、決してゼロではないためです。
仮に「黙っていたほうがよい」という風潮が社内で広がると、見て見ぬ振りが横行し、不祥事が頻出してしまいかねません。この事態を防ぐためにも、内部通報者を保護する仕組みを築き、それを社員に周知することが大切です。

まとめ

業種・職種を問わず、どのような企業でもコンプライアンスの遵守は必須です。仮に、違反し不祥事を起こしてしまうと、経営不振に陥ったり社会的信頼を失ったりと、多大なダメージを受ける可能性があります。良好な経営を続けられるように、そして消費者・クライアントに求められる企業であり続けるためにも、今一度コンプライアンスと向き合い、不祥事を未然に防げるようにしましょう。

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この記事の著者

sonarTimes 編集部
1000社以上にご導入された採用管理システム「sonar ATS」を展開。その知見をもとに、企業の採用・人事・経営にかかわるすべての人に最新の情報をお届けします。