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アルムナイ採用で優秀な人材を確保!メリット・デメリットと実施時のポイントとは

「採用活動や人材育成にかかる費用を削減しながら、優秀な人材を確保したい」とお考えの企業は、アルムナイ採用に取り組んでみてはいかがでしょうか。

今回は、アルムナイ採用の意味や特徴、注目されている理由、メリット・デメリット、取り組む際のポイントについて解説します。あわせて、実際にアルムナイを活用している企業の事例もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

アルムナイ採用とは?意味と特徴を理解しよう

アルムナイ採用について理解を深めるには、まず「アルムナイ」という言葉の意味を知る必要があります。アルムナイは、卒業生・同窓生などの意味を持つ英単語「alumni」が由来となっている言葉です。これらの意味から転じて、ビジネスシーンでは「企業の退職者」のことを指します。

つまり、アルムナイ採用とは自社の退職者を再雇用する採用手法のことで、別名「カムバック制度」「出戻り制度」「再雇用制度」とも呼ばれます。

似たような制度として、育児や介護などのやむを得ない事情で離職した社員を再雇用する「ジョブリターン制度」がありますが、アルムナイ採用とは意味合いが異なります。アルムナイ採用では、他社でのキャリア形成を選択して自発的に退職した社員を中心に再雇用するのが特徴です。成功すれば「自社の理念に共感し、自社の目標を理解した人材が戻ってくる」ということになるので、人材採用の失敗を回避できる上に、即戦力としての活躍が期待できます。

多くの企業がアルムナイ採用に注目!その理由とは

昨今、多くの企業がアルムナイ採用に注目していますが、それには明確な理由があります。

少子高齢化により、日本の生産年齢人口(15〜64歳)の人数は減少の一途を辿っています。総務省統計局が発表している「人口推計の結果の概要」によると、平成29年の生産年齢人口の割合は「60.0%」、平成30年は「59.7%」、令和元年は「59.5%」と減り続け、令和4年9月時点では「59.3%」に減少しています。これにより多くの企業が労働力不足に陥り、ビジネスシーン全体で人員不足が蔓延化しているのです。

参照:人口推計の結果の概要|総務省統計局

また、ひとつの企業で長く働くことが当たり前だった時代は終わり、現在は人材の流動化が進んでいます。さまざまな事情で退職・転職する人材が増えているのです。

こうした状況の中、アルムナイ採用に取り組めば、自社を退職した後に新たな能力や経験を習得したアルムナイを再雇用でき、自社の労働力不足の解消を図りやすくなります。この点から、多くの企業がアルムナイ採用に注目していると考えられます。

確認しておこう!アルムナイ採用のメリット・デメリット

企業がアルムナイ採用に取り組むことには、以下のようなメリット・デメリットがあります。

アルムナイ採用のメリット

メリットには、主に以下の3つが挙げられます。

採用活動・人材育成にかかる費用を削減できる

アルムナイ採用を行う上で求人媒体を活用することは基本的にありません。退職者本人から直接応募があったり、在籍中の社員が退職者を推薦してくれたりするので、募集をかける必要がないためです。

また、アルムナイ採用で確保した人材は、元社員だからこそ自社ならではのルールや働き方を把握・理解している傾向があります。そのため、採用活動費や研修・育成費を大幅に削減できるでしょう。

優秀な人材を確保できる

自社を退職した人材はその後、ほかの企業へ転職するのが一般的です。この場合、退職者は転職先の企業で経験を積み、新たな知識・技術を習得している可能性があります。

そのため、アルムナイ採用に取り組めば、ほかの企業でスキルを高めた退職者を再雇用できる可能性があり、業務において高いパフォーマンスを発揮してくれることが期待できます。

有力な情報源になり得る

上述のとおり、自社を退職した人材はほかの企業へ転職する傾向にあるため、さまざまな企業および業界の情報を持っていることがあります。

もちろん社外秘となる情報を聞き出すことはできませんが、業界の深い知識や考え方などの情報は自社にとって有力であり、たとえば事業戦略を練る上で大いに役立ちます。そのため、アルムナイ採用に取り組むことは、自社の事業を推進する上でも効果的といえるでしょう。

アルムナイ採用のデメリット

デメリットには、主に以下の2つが挙げられます。

社員のモチベーションが低下する可能性がある

アルムナイ採用に取り組むと、在籍中の社員に「退職してもいつでも簡単に戻れる」と思われてしまう可能性があり、それに伴って仕事に対するモチベーションが下がることがあります。このデメリットを回避するには、再雇用の条件を明確に設定し、在職中の社員にアルムナイ採用の説明を十分に行うことが大切です。

情報漏洩のリスクがある

元社員とはいえ、再雇用するまでアルムナイは他社の人間です。復職してもらうためにさまざまな情報を共有すると、社内の機密事項が漏洩してしまう可能性があります。

このデメリットを回避するには、「再雇用するまでは外部の人間」という認識を強く持つと同時に、共有しても問題ない情報とそうではない情報を明確に分けておくことが大切です。たとえば、退職者専用の資料を作るのもよいでしょう。

押さえておこう!アルムナイ採用に取り組む際のポイント

アルムナイ採用に取り組む際は、以下の3つのポイントを押さえておくことが大切です。

円満退職の実現に注力する

円満退職ではなかった場合、いくら企業が再雇用を望んでも退職者が「もう一度あの企業で働こう」と思う可能性が低く、アルムナイ採用を円滑に進めることが困難になります。そのため、アルムナイ採用を成功させるには、円満退職の実現に注力することが大切です。

円満退職を実現するには、イグジットマネジメントを行う必要があります。

イグジットマネジメントとは、社員の退職を戦略的に計画・管理して、企業の健全な新陳代謝をキープし、人材をマネジメントする概念のことです。具体的な施策には、たとえば「退職時・退職後のステップアップ支援の導入」が挙げられます。

イグジットマネジメントに取り組んで円満退職を実現できれば、退職者を再雇用しやすくなるので、前述したようなメリットを得やすくなるでしょう。

さまざまな雇用形態・働き方を設ける

「フルタイムでは働けない」「リモートワークがよい」など、人によって希望の働き方は異なります。なるべく多くの退職者を再雇用できるよう、アルムナイ採用に取り組む際は雇用形態の種類を増やしたり、働き方の幅を広げることが大切です。

さまざまな価値観に対応できるよう、自社に影響が及ばない範囲で雇用形態・働き方を増やすことで、双方にとって満足度の高いアルムナイ採用を実現しやすくなります。

退職者へ積極的にアピールする

アルムナイ採用に取り組む際は、退職者に声をかけたり、ポータルサイトを制作・運用したりと、企業が主体となって退職者とつながるネットワークを構築することが大切です。この作業を疎かにすると退職者との接点を作れないだけでなく、再雇用につなげるのが困難となるため、企業から退職者へ積極的にアピールするようにしましょう。

「退職者同士または退職者と企業が情報交換できるイベントの開催」「SNSのグループ機能を活用した情報発信」なども効果的です。

最後にご紹介!アルムナイ採用を活用している企業の事例

最後に、アルムナイ採用を活用している企業の事例をご紹介します。

株式会社電通

株式会社電通は「電通アルムナイ・ネットワーク」を構築しています。これは、ビジネス連携を主とした、電通の卒業生同士、または電通の卒業生と電通との交流の場です。2022年10月時点で登録者数は600人おり、スタンプやメッセージでコミュニケーションを取れるほか、1クリックで登録しているメンバーの近況を知ることができます。

参照:電通アルムナイ メンバー登録ページ

武田薬品工業株式会社

武田薬品工業株式会社は「OB・OG再雇用制度」を導入しています。これは、「社内外で培った知識・経験・スキルを活かし、再び武田薬品工業株式会社で活躍してもらいたい」という想いが込められた制度です。専用Webページから関心のある職種を選び、必要事項を記入することで応募することができます。

参照:タケダ・アルムナイ(OB・OG)|武田薬品工業株式会社

まとめ

人材不足にお悩みの企業は、ぜひアルムナイ採用に目を向けてみてください。「採用活動・人材育成にかかる費用を削減できる」「優秀な人材を確保できる」「有力な情報源になり得る」といったメリットを得られるため、コストを削減しながら効率よく労働力を補えます。ただし、わずかにデメリットもあるので、理解した上で取り組むことが大切です。

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この記事の著者

sonarTimes 編集部
1000社以上にご導入された採用管理システム「sonar ATS」を展開。その知見をもとに、企業の採用・人事・経営にかかわるすべての人に最新の情報をお届けします。